ブラック・ヴァイオリンは、クラシック音楽、ヒップホップ、ロック、R&B、ブルーグラスの融合体を生み出した画期的存在です。10年前にブラック・ヴァイオリンを結成してから、ウィル・バプティステとケヴィン・“ケヴ・マーカス”・シルヴェスターは、音楽ジャンルを混交させ、聴き手の持っていた意識的ないしは無意識のバリアを取り除きました。我々の文化に必然的に織り込まれた定型志向や固定概念に立ち向かうことを是として、有意義で人を惹きつける音楽を生み出しています。
このデュオは、アメリカの49州をはじめとして、36か国に渡り年間およそ200回の公演を行ってきました。遠くドバイや、チェコ共和国、南アフリカ共和国でも演奏しています。スーパーボウル(アメリカプロフットボールの王座決定戦)を飾る全米フットボール連盟主催の公式祝賀会にも3回登場し、2016年全米オープンテニスにも、ジョーディン・スパークと共に登場しました。
ブラック・ヴァイオリンは、様々なタイプの聴衆を対象に演奏をしてきています。イラク駐屯の軍人たちから、ワシントンDCで行われた大統領の就任祝賀舞踏会と就任記念子供向け行事への参加者に至るまで、多くの聴衆を魅了してきています。就任祝賀舞踏会では、バラク・オバマ大統領が二人と温かい握手を交わしています。ブラック・ヴァイオリンの二人は、単独でも、デュオとしても、多くのアーティストとコラボしてきました。P.ディディー、ケイン・ウェスト、50セント、トム・ぺティー、アリーサ・フランクリン、イーグルズなどがあります。また、ウィルとケヴは、「ピッチ」というフォックステレビのオリジナル番組シリーズの音楽も作曲しています。この番組シリーズは、2016年秋に始まりました。
ケヴ・シルベスターは、NPRのインタビューで次のように語っています。「僕の音楽は、バッハから始まったのです。バッハは、機会を均等にくれますからね。僕にとっては、バッハを弾くのが一番難しいですね。バッハの曲は、演奏者のすべてをさらしますから。弱点がさらし出されるので、演奏者は必死になって弾かされます。バッハのことは、神に一番近い作曲家ではないかと、常に思っています。」