ロンドンで育ったヴァイオリニスト、ダニエル・ホープは、技巧に優れた名ソロリストとして25年に渡り世界中で演奏してきました。その多才な音楽性と、人道支援のための献身的な取り組みで、ホープはその名を馳せています。ボザール・トリオの最後の6シーズンにおける最年少のメンバーも務め、2015年にはヨーロッパ音楽文化賞を授与されたホープは、世界屈指の音楽ホールや音楽祭で演奏しています。カーネギーホールからコンセルトヘボウ・アムステルダムまで、ザルツブルグからタングルウッド、そしてそのまた向こうへと、ホープの演奏活動は広がっています。
ホープは、クラシック音楽のレコーディングを最も精力的に行っているアーティストの一人です。ホープの名を冠したアルバムは、25以上あります。メンデルスゾーンのヴァイオリン・コンチェルトと八重奏を、ヨーロッパ室内管弦楽団と一緒に演奏した際のレコーディングは、その年の最高のレコーディングの一つであるとニューヨークタイムズ紙は評しました。また、アルバン・バーグのコンチェルトを弾いたホープのレコーディングは、グラモフォン・マガジンの行ったアンケートで、「入手可能な全レコーディングのうちで一番買いたいレコーディング」に選ばれました。マックス・リヒターの「ヴィヴァルディ再構成」を弾いたホープのCDは、22か国以上でナンバーワンをマークし、近年のクラシック音楽のレコーディングにおける最大成功例の一つとなっています。
ホープは、チューリッヒ室内管弦楽団の音楽ディレクターです。ホープが弾いているのは、1742年製の「元リピニスキ」として知られるグァルネリ・デル・ゲスです。ドイツのある家族が、ホープにと匿名で贈ったものです。
写真撮影:ハラルド・ホフマン